人材育成、指導を受ける部下と指導する上司

育成の取り組みと気付き

育成の取り組み

私は熱心に仕事に取り組み、数年をかけて業務マニュアルを完成させました。このマニュアルは、新入社員がスムーズに業務に慣れるためのもので、私の経験と知識が詰まっていました。しかし、期待とは裏腹に、ほとんどの人がそのマニュアルを読まない現実に直面しました。私の熱意と実際の職場の温度差に戸惑いを感じました。

他社の同期や仲間の管理職と話しているうちに、私は「過保護」や「過干渉」が原因ではないかと気づき始めました。さらに、人材育成に関するセミナーや書籍からもヒントを得ようとしましたが、理論だけでは心に届かないことが多く、実際の育成には生きた知恵が必要だと感じました。

経営層との見解の相違

当時の会社は人手不足で、経営層からは「早く人材を育て上げること」が強く求められました。試用期間はわずか1ヶ月と短く、その期間内に新人の能力を見極める必要がありました。私自身、過去に就職活動で苦労した経験から、新人たちが試用期間で苦しむ姿を見るのは辛かったです。

ポテンシャル採用

30代前半の中途採用、前職は異業種でしたが営業で力を発揮しそうなポテンシャルがある人でした。
経営層から見ると成長が遅い、仕事の覚えが悪いという評価。
何とかせねばと思い指導をするが、本人は気持ちここにあらず、という感じで空回りしていました。
本人は自分の能力が発揮できる、販路を拡大したいなどの想いはあるが、足元の仕事がおぼつかない。
「地道に着実に足元からやろう」と言ってもなかなか上手く伝わらず、最終的には彼は退職することとなりました。

成長への理解

経験を積むにつれ、画一的な指導・教育ではなく「人それぞれのペースで育てるべき」ということに遅まきながら気づきました。失敗を恐れずに、自ら考え、経験することの大切さを理解しました。また、自分の失敗や他人の失敗から学ぶことの価値も実感しました。

今、思うこと

採用育成年の経験を通して、「人を変えることはできないが、その人の可能性を引き出すことはできる」と強く感じています。人材育成は即効性のあるものではなく、それぞれの個性に合わせて時間をかけてじっくりと行うべきだと学びました。また、自分が経営層やマネジメント層になる日が来たら、育成に対する理解を深めた上で、仕事に取り組みたいと考えています。

未来への展望

今後は、共に仕事をする仲間を採用し育てていきたいと思っています。ただし、採用は難しくなっているため、過去の同僚や仲間との連携を深め、新たな形での協力を模索しています。人が成長するための環境作りに注力し、監視や過干渉ではなく、支援と理解を基本に置いた関係を築いていきたいです。