あなたの企業での採用活動の主な目的は何ですか?
事業拡大、経営の永続
これまでの採用活動で特に重視してきたポイントは何でしょうか?
サービス業に向く方、接客力・コミュニケーション能力がある方、目標が明確な方
過去の採用活動で遭遇した最も大きなしくじりは何でしたか?
以前に食らった、一番手痛い退職の話です。
Hさんという20代半ばの男性の話です。彼は、私の事業の主力社員として、今後の事業拡大を見据えても、大きな期待を寄せていたスタッフでした。
最近は女性の社会進出というか、働くことが多くなっていますよね。
実にイキイキと仕事をされていて、スキマ時間であっても、効果的に収入を得ている女性の方が、とても増えています。
限られた時間の中で、それを有効に活かして、やりたいことを頑張ってらっしゃる。
そういうのは主婦だけかと思っていたのですが、若い女性であってもそういう方を大勢お見掛けするようになってきました。そういう時代なんだと思います。
Hさんにね、彼女が出来たんです。
そして、Hさんの彼女もそういった女性のひとりでした。
Hさんは仕事には何の問題もありませんでした。しかし、彼女の仕事ぶりを間近で見て、考えるようになってしまったのです。
劣等感…というものが芽生え始めたんだと思います。
私は元より飲食店をやっていましたから、それをやるなら10年くらいはかかって当然という考え方でした。
おそらくはHさんも当初はそういう感覚で仕事をやっていたのだろうと思います。
でも、彼女の、短時間労働で、効果的に収益をあげている姿を見てしまいました。
給料はともかく、飲食業は時間的には長い就労時間になります。
同じくらいの給料で、彼女の方が就労時間が短い、それを単純比較した時に、そのまま劣等感になったのかな…と。
飲食はしたいけど、他で稼いでから再度やってみるとか、飲食にかかわるもっと大きなことをやってみたいとか。今の現実から目をそらせるようになっていきました。
とにかく、その彼女の働き方に憧れをもったのです。
そしてこのままではいけないと思い、退職を申し出てきました。
自身の仕事と比べてしまった時に、ある種の劣等感を持ったのでしょうが、私は、Hさんのそういった心境の変化には、全く気付くことが出来ませんでした。
まさか、近しい女性の働き方で感化され、退職を申し出るに至るとは、思いもしませんでした。私は、時代の流れとして、価値観に変化があることを軽視してしまったのです。
話は変わりますが、うちのホールスタッフも女性が多いのです。とても社交的で、接客が上手な子達で助かっています。
イキイキと仕事が出来る女性に助けられている反面、とても考えさせられることでした。
その経験から何を学びましたか?今後にどう活かしますか?
女性の社会進出なんて言い方は、もう失礼なんでしょうけど、実際に非常に優秀な方が多いのは周りを見ていても認めざるを得ません。
働き方という大きな括りで、何が選ばれて、何が選ばれないのかということを、少し高い視座で考えるようになりました。
この件についての、直接的な学びとは言えないかも知れませんが、以降の採用には、世代・性別を細かに分けて、バランスよく採用する等、退職に際してのリスクヘッジを意識するようになりました。