あなたの企業での採用活動の主な目的は何ですか?

とりあえず人手がいるということでの採用、業種的にも人手がありきで雇用していた。

今後は管理職になってくれる方を採用したい。

これまでの採用活動で特に重視してきたポイントは何でしょうか?

基本は「直感」で採否を決定している。

それでも徹底しているのは2次面接をするということ。

必ず直属上長になる人の面接をする人を先に実施、のちに私が面接する。

あとは仕事のキツさ(例えば、排泄の介助や、年末年始・お盆時期も休めないことなど)についての確認~少し高いハードルの質問で様子を見てみる。

クリアした応募者には理念の共有を試みるようにしている。

過去の人材における 大きなしくじりは何でしたか?

起業して以降、NO.2になるような幹部には恵まれませんでした。

そんな中でB型作業所をオープンしたものですから、とても悩んでいたのですが、幼馴染の友人L(以降Lさん)が、所長を引き受けてくれました。

気心の知れた親友であるLさんが引き受けてくれたのは、とても嬉しかったです。

Lさんの他に、別の友人経由で紹介してもらった男性Mさんと、サービス管理責任者の資格を持っていた男性Nさん、この3人に運営を任せていました。

開業当時から、利用者さんには評価を頂いており、早々に軌道に乗るかと思ったのですが、経営状態はなかなか上向かずに赤字経営を重ねていくことになっていました。

私がもっと手を入れれば良かったのですが、他の事業所も複数で開業を始めており、なかなか、そちらまで手が回らなかったのです。

そのうち、彼らの仕事ぶりに問題があることが分かってきました。

まず、出勤時間を守っていないことが分かりました。

必然的に利用者さんを送迎する時間についても常に時間が守られないということが判明、この時点で問題だと考えて、Lさんには時間厳守をするように伝えました。

後々、一番の問題だったのは「Lさんとの関係の近さから、一度言えば、分かってくれるだろうと過信した」ことだったのですが、この時点では、まだ分かっていません。

他の事業所での忙しさにかまけて、教育も、そして、コミュニケーションすらも取ることをしませんでした。

そのうち、事業所としての機能不全に陥っていきました。

備え付けの備品が不可解な形で破損していきました。自然に壊れるのではなく、破壊という感じで使い物にならなくなるのです。報告を受けるのではなく、私が行って気付くという感じでした。

近隣へのチラシのポスティングをしたのですが、徐々に配布しきれないチラシが増えていきました。

天候などの状況もありますが、聞いてみると「配ろうと思えば、配れた」という返答であり、著しく3人のモチベーションが低下しているように感じました。

こうした障害福祉サービスという業態上、必要性から作業所内に監視カメラを設置することになったのですが、3人からは当初、強い反発の色がうかがえました。

それでも、私自身が忙しくしていることもあり、監視カメラ導入後もそれほど意識をしないようになっていきました。

しばらくして、監視カメラをランダムに確認したところ、問題のある不適切な行動が録画されていました。

利用者が帰った後、勤務時間中に鍋や焼肉パーティーをしていたのです。

大きな問題行動ということで、話し合った結果、Lさんは「独立したい」という理由で退職を申し出てきました。

あまり考えたくはありませんでしたが、これは「逃げ」だと思いました。

Lさんは「残るスタッフの引き抜きはしない」と明言していましたが、私の見えないところで、MさんとNさんの引き抜き行為をやっていました。

監視カメラはその音声も拾っていたのです。

サービス管理責任者の引き抜きは、この業界の倫理に反する行為だと思いますが、そんなことも考えていなかったのだと思います。

※B型作業所には1名以上のサービス管理責任者の雇用が義務付けられている

その経験から何を学びましたか?今後にどう活かしますか?

教育とコミュニケーションの不足がどれほど大きな痛手になるかを学びました。

近しい関係であることで、1言えば10分かると思い込んでいました。

また、公私混合をしてしまい、上司部下のメリハリがつけられず、職場全体の規律が緩んでしまいました。

創業から、急ピッチで事業拡大してきたことのツケだとも認識しています。

教育やコミュニケーションを疎かにしてソーシャルワークは成立しないことを痛切に感じています。