出戻り社員がかつての仲間との間に感じるギャップ

出戻り社員に感じるギャップ

一度、辞めて、その後に戻ってくるというケースがあります。

そう、出戻りですね。

これは悪い意味での出戻りじゃないんです。

別に他所でどこも雇ってくれないという訳でもなく、いろいろと他で働いてみたけど、やはりうちが一番働き易かったというケースです。

これを嬉しいと思われる経営者の方も多いかとは思うのですが、私は経験上、あまり上手く行くようには思えないのです。

これはうちで実際にあったお話です。

そもそも、うちのような飲食業とか、建築業は、働き始めるハードルが低いと思うのです。

でもね、自分自身をしっかりと磨いていかないと、良いようには変わっていかないじゃないですか。

実際、私自身も数年前にそれに気付いて、いろいろなことを勉強するようになりました。

私が、そういう意識になって実践して、それを下の人間にも必然を説いていったんです。

次第に下の人間にも、それは伝播していきますよね。

ですので、うちはある時期から会社全体でそういう自分磨きについて、意識していくようになりました。いろいろなことを勉強するような社風が出来ていったんです。

そしてある時、創業間もなくの時期にうちで働いてくれていたSさんという人が、前段の通り、「他所で数年間働いてみたけど、うちが良かった」という理由で、戻ってきたいと言ってきてくれました。

まぁ、問題は無いだろうと思って、再採用したんです。

そうすると、以前は何も感じなかったのですが、戻ってきたSさんには、大きな違和感を感じるんです。

他所で飲食の仕事を続けていましたので、作業のスピードは上がっていますが、特に考えることも無く、ただただ、作業に慣れていったんだと思います。

仕事は早くなっても中身が変わっていないから、現在のうちの社風と合わなくなってしまったんですね。

Sさんは以前のうちの雰囲気を良しとしてくれていましたから、その違和感は大きなギャップになっていきました。

やることは一緒でも、気づきのスキルとかが全然違うのです。

仲良くしていた他の社員も以前とは違う、どんどんと、居心地は悪くなっていったんだと思います。

結局、Sさんは変わることは出来ず、再度の退職になってしまいました。

思うに、M&Aでうまくいかない話なんかを聞くと、よく似ているなぁと思いました。

買収した会社の社風が合わずに…というケースですね。

その経験から何を学びましたか?今後にどう活かしますか?

わりと戻ってきたいという声はありますが、人を見極めています。 キチンと今の社風を理解してくれていればと思いますが、なかなか難しいとは思います。