あなたの企業での採用活動の主な目的は何ですか?
事業拡大
これまでの採用活動で特に重視してきたポイントは何でしょうか?
現在は、条件のみのマッチングではなく、理念に共感してくれる方を優先的に採用している。
過去の人材における 大きなしくじりは何でしたか?
開業当初より、長く就労して頂いていた方がいたのですが、ここではその方をRさんとします。
Rさんは「会社の為に」というより「オーナーの力になりたい」ということが明確な方でした。
長きに渡って働いてくれたので、ポジションは高かったのですが、完全にオーナー、つまり私の側だけを向いて仕事をする節があり、結果として組織が成立しないという状態を引き起こしてしまいました。
Rさんは私に認めてもらいたい一心で、残業も問わず、一生懸命に尽くしてくれました。
「私がRさんを頼っている」というのが唯一の規範でした。
そして、徐々にそれを笠に着る振る舞いをするようになっていきました。
それはやや横暴と呼べるものでした。
自分以外に私(オーナー)に近づく者を例外なく、攻撃対象にするようになっていったのです。
Rさんの圧に耐えられずに辞めてしまうスタッフが徐々に増え続け、離職率は右肩上がりの状態になりました。
それでもRさんは、私(オーナー)にはよくしてくれるのです。
手放しづらいという気持ちは否めませんでした。
いよいよ離職に歯止めが利かなくなり、新しい試みとして外国人を採用しました。
ベトナム人の3名の男性だったのですが、彼らは予想以上に優秀でした。
とても素直であり、教えた仕事は確実に吸収してくれて、大きな戦力になってくれました。
Rさんは「自分しか仕事は出来ない」として、他者を排除してきたのですが、彼ら3人のベトナム人には、そうしたことが出来ずにいました…それほど彼らは優秀だったのです。
徐々にRさんの仕事が奪われる形になり、時間が空くようになってきました。
それでも尚、Rさんの残業時間は変わりませんでした。
客観的に観て無用の残業をしているように感じ、そのことを問い詰めたら、退職を申し出てきたのです。
退職後、Rさんのずさんな管理状況があらわになりました。
厨房を始めとした在庫管理が相当いい加減であったことが判明しました。
在庫が足りないということで増やしたストッカーも使いこなせず、同じ食材が別の場所から複数見つかるなど、まるで家庭の冷蔵庫(その主婦しか分からない)のような状態でした。
こうしたずさんな管理は利益率を圧迫し、経営状態までも悪化させていたことが判明したのです。
その経験から何を学びましたか?今後にどう活かしますか?
Rさんの退職後は職場のエンゲージメントが向上したように感じました。
Rさんがいた時にはミスがあったら叱責されるとビクビクしていたけど、今はミスがあっても皆でフォローするという空気になっています。
きっかけは、私が「助けてほしい」と言ったことだったけど、それがモンスター化していったような印象があります。
「私にはよくしてくれる」ということで、正しい見極めが出来なくなっていたことは反省しています。