人材採用定着しくじり話

コミュニケーション力は鍛えられると思っていたけど

あなたの企業での採用活動の主な目的は何ですか?

営業規模拡大、欠員補充、現在の顧客保持(フォロー)

これまでの採用活動で特に重視してきたポイントは何でしょうか?

過去のキャリア、実績、人柄

(採用は全てスカウトであり、一般的な応募採用活動はしていない)

過去の採用活動で遭遇した最も大きなしくじりは何でしたか?

営業経験の無い人を採用した話です。

うちは営業会社なので本来は経験を重要視します。過去に営業職をやっていた人をメインにスカウトします。ですので、一般企業のような募集採用では無いのです。

勿論、営業経験が無い人がうまくいく事例はありますが、やはり失敗する人の方が圧倒的に多い。それでも10人くれば、そりゃ1人か、2人くらいは成功します。

Fさんは33歳、非営業職を10年近くお勤めされていました。

製造業のライン管理をなさっていた方で、かなりハイキャリアの方でした。

誰もが知っているような大企業でのキャリアでしたので、多くの良い人脈を持っている。

この人を採用したら、その良い人脈にアタックすることが出来る。そういう、こちらにとって旨味のある顧客を、多く持っている人でした。

そういった背景をもつ人だったので、多少喋れなくてもイケるだろうと思ったのです。

人柄も良いし、管理職ポジションであることからも一定の担保感がありました。

採用後、私がアシストとして一緒にまわりました。

困ったら私がサポートするので、入社早々ですが、そこそこ決まっていくのです。

それなりの契約も取れて、これは何の問題も無いなと思っていました。

いつまでも一緒という訳にもいかないので、2週間程で、サポートを半分くらいにし、徐々に減らして、1ヶ月を過ぎた辺りで独り立ちしてもらいました。ソフトランディングを心掛けたつもりです。

でも、独り立ちしてすぐくらいに上手くいかなくなった。

モノがその場にないので商品の説明が難しい、ボキャブラリー(語彙力)が無いと、伝えることが難しいのです。

例えば、車の場合なら「このヘッドライトがですね…」と、直接モノを指して説明が出来ますが、保険は何も無いんです…例えば「未来にこんな車が出て来るんですよ」と言ってもお客様には伝わらない。見ているとそういうのが如実に分かったのです。

それと、決定的なのは、相手の話に興味関心を持つということが出来なかったのです。

例えば、お話の中で「先週の日曜は何されていたんですか?」と尋ねられて「娘の用事で一日中、連れ回されました」と答えた人がいたら、「へぇ、娘さんがいらっしゃるんですね!」と、そこから話が広がるじゃないですか。

「あぁ、そうですか」では、そこで話が終わってしまいます。そういうことなんです。

質問を繰り返したとて、一方的では、それこそ尋問のような感じになりますよね。

そういうことって、だいたいの人は出来ると思ってしまいがちですけど、実際はそうでもないのです。結局、Fさんは3ヶ月で退職されました。

その経験から何を学びましたか?今後にどう活かしますか?

見極めが非常に難しいのですが、「まぁ…イケるだろう」と思って採用してみて、結果ダメなことが多い。実は、最初からダメなことは分かってはいるのです。

でも、人ありきのお仕事ですので、そのダメな部分に目をつぶって採用してしまう。

何とかトレーニングで、鍛えていけると思い採用したんだけど、そういうものは簡単に磨けるものではなく、会話が合わない、うまくいかない、自信が持てないということで辞めてしまう。

営業の経験の無い人については、本当に躊躇するようになりましたね。

というより、正直なところ、非営業キャリアの方については、こちらからお声掛けするのをやめておこうと思っています。

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